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ペルソナ活用事例 ゼロからの実践〜社内コミュニケーションの活性化〜(2.ペルソナをどのように作ったか(アンケート〜インタビューのステップまで))
■当社のペルソナ実例と作成手順
早速ではありますが、これが当社で作成したペルソナ、曽根原淳哉さん(28歳)です。
この曽根原さんは、当社の社員をペルソナとして作成したものです。現在、この曽根原さんペルソナが最も使いやすくなるよう、社内ポータルサイトのコンテンツ企画検討を進めてきているところです。そこでこのペルソナをどのように作り上げていったのか、当社での実際の手順をお伝えしていきたいと思います。
ペルソナ作成は着手から完成まで2ヶ月を費やしました。私にとってペルソナ作りは初めてのことで、またユーザー中心設計やユーザーリサーチなどの経験も特にない状態からのスタートでした。とは言え、昨年(2007年)出版された『ペルソナ戦略』に目を通したり、ペルソナに関するセミナーやワークショップに参加していたので、ペルソナとはどういうものかということをある程度は把握した上で取り組んでいきました。
そうした学びを得て、自ら実践するに際して試行錯誤もしつつ、全体としては「アンケート」→「グループ分け」→「インタビュー」→「スケルトン」→「ペルソナ」というステップで進めていきました。そのなかで、工夫したことや気づいたこともいくつかあるので、それらについては作成工程のなかでお伝えしていこうと思っています。
■社員「アンケート」の実施
今回ペルソナを使う目的は、社員向けの社内ポータルサイトのコンテンツ作りです。そこで、ユーザーである社員の現状の情報共有や社内コミュニケーションに関する不満や要望を知るためにアンケートを行いました。ただ、その前に『ペルソナ戦略』にもあるように、ユーザーに関して既に調査してあるデータの収集を予め行いました。いわゆる「データ収集」です。例えば、人事部が実施した社員意識調査や、事業計画発表会のような全社イベントでの社員アンケートなどです。そうした調査結果で挙げられている課題やニーズを踏まえつつ、今回のアンケートの設計を行っていきました。内容的には、困っていること、問題だと思うこと、情報共有や活用の実態、こうであればいいのにと望むところ、どうすればうまくいくと思うか、といったことが定量的(選択式回答によって)および定性的(自由記述式によって)に分かるように組み立てていきました。
1週間かけてアンケートを実施したのですが、その結果は大半の社員が社内の既存イントラサイトをほぼ毎日見ているものの、情報共有についてはうまくいっていないということが改めて明らかになりました。その要因として、「誰がどんな情報を持っているのかが分からない」「誰がどんな情報を必要としているのか分からない」「共有する場や手段がない」といった回答が上位を占めていました。一方、期待することとして、「分かりやすく必要なものがすぐに見つかること」「鮮度が高いこと」「環境に左右されずに快適に利用できること」などの意見が多く見られました。
アンケート結果自体もペルソナ作りのためのデータとして利用しましたが、さらにこうした結果の背後にある理由や、実際に社員がどのように感じているのか生の声を聞くために、インタビューも実施していきました。
■ターゲット層特定のための「グループ分け」
インタビューを行うにあたって、ペルソナ像としてのターゲット層を特定して絞り込むために、アンケート結果を使ってグループ分けをしていきました。どのようにグループ分けしたかというと、アンケートの問いに対する回答に応じて点数付けして下記のようなマトリクスを作りました。
縦軸には「情報共有度」と置いて、情報共有・活用がある程度できている層とできていない層とに分けました。一方、横軸には「課題意識」と設定して、情報共有や社内コミュニケーションの必要性・問題点に対しての意識の高低で分けました。これを、右上の第一象限から順番に「積極派」「自立派」「無関心派」「高意識派」と名付けて4つのグループを作り上げました。このグループ分けの際に注意したこととして、アンケートの結果を受けてから改めてグルーピングの軸を設定するようにしたことです。なぜなら、分け方自体をアンケート実施前に固定的に決めてしまうとアンケート設計者の想定したユーザーグループの“イメージ”をそのまま当てはめてしまうことになりかねないからです。つまり、作り手側の思い込みを可能な限り排除したいため、このような考慮をしました。
今回のペルソナ像のターゲットは、4グループのうち「高意識派」に絞ることにしたのですが、その理由は3つあります。第一には、最も割合の多い層(37%)であったこと。第二に、この層にとって情報共有がやりやすく満足できるものが実現できれば、情報共有度の低い「無関心派」にも、満足につながる可能性が高いと考えたこと。第三は、この「高意識派」は課題意識が高い層であることから、他のグループによい影響も与えてくれるのではないかというインパクトを期待した、という理由です。
次に「高意識派」からインタビューをさせてもらう社員を特定していこうと、このグループに属する回答者を詳しく見ていきました。それは、以下のようになります。
丸の位置はアンケート回答から点数付けしたポイント、丸の大きさは人数を表しています。この中からもっとも回答者が多い丸と最も中心から離れた丸のそれぞれに含まれる社員を対象者として6名選出しました。人選にあたっては、当社社員の半数がお客様先で仕事をしているので、社内ポータルサイトの利用環境を考慮して6名のうち3名はお客様先にいる社員を選んで、偏りをなくすよう気を付けました。また、営業・技術などの職種や年齢の構成も全社員の構成と相似形になるように配慮しました。
次回は、この6名へのインタビューの手順についてお伝えしたいと思います。
【テーマ】 03ペルソナの事例