TOPペルソナスクエア佐々木康浩(株式会社三菱総合研究所) ペルソナの活用に向けて(2.タッチポイントイノベーション)

  • 佐々木康浩(株式会社三菱総合研究所)
  • 株式会社三菱総合研究所 コンサルティング事業本部 主席研究員
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ペルソナの活用に向けて(2.タッチポイントイノベーション)

佐々木康浩(株式会社三菱総合研究所)
2008年05月22日

 毎年、三菱総研ではビジネスパーソンに対して定期的にアンケートを行い、企業経営において重要だと思う項目を尋ねています。その調査で、「コンプライアンス」や「ブランド戦略」を抑えて、依然として「顧客満足」という回答が第1位となっています。



図3 企業経営において重要な項目
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 これには2つの理由があると思われます。継続的に顧客を維持する(既存顧客をつなぎとめる)ことがビジネス上重要であること。そして、真の顧客満足を得ることは非常に難しいということです。

 私たちは、なぜ企業にとって顧客満足を獲得する活動が難しいのかを、わかりやすくするため、そしてその対応策を考えやすくするためのフレームワークとして『タッチポイントイノベーション』を提唱しています。
 企業側から顧客を見た場合、「買う」瞬間の1点を注視しがちです。顧客は買い物の際に、「品定め」から始まり、どこで買うかを迷い、利用しながらもいろんなことを感じ、使い方がわからなかったり故障したりすれば、また企業との接点が出てきます。企業と顧客との関係は、様々な接点の繰り返しとなります。



図4 タッチポイント・フレームワーク
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 こうして図解して見てみると当たり前のことのように思われますが、実は企業の内部にいると、見えにくくなるものなのです。なぜなら、ホームページを作るのは総務部で、商品を開発するのは企画部、生産するのは製造部、売るのは営業部、納入は別会社の運送会社、故障修理は子会社のサービス会社であったりします。さらに、顧客が商品を選ぶプロセスと、企業側でものを作って売るプロセスとでは順番が異なるのです。ホームページを作ってから商品開発したり製造はしないでしょう。



図5 タッチポイントイノベーションによる指標検討
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 『タッチポイントイノベーション』では、まずロジックツリーなどを使って企業と顧客との接点(タッチポイント)を洗い出します。そのうえで、顧客満足に与える影響度などから活動指標を定め、バラストスコアカード(BSC)のようにKPI(重要指標)を設定します。できれば、これらの活動指標を全社的かつ定期的に確認しつつ、部門を超えて施策を検討・実施していくことが望ましいです。



図6 タッチポイントイノベーションによるKPI設定
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 この際、決定する活動の優先順位について、必ずしも合理的かつ機械的に決めることができないため調整が入ります。この指標の取り扱いが部門をまたがったときに、なかなか合意に至ることが難しかったのです。あるいはいったん決めたものを経年的に継続させたり、担当が異動になったときにその思いを継承したりすることは困難でした。

 ここにペルソナの活用に期待する理由があります。部門を超えて顧客理解を進め、担当が変わっても継承できる接着剤となります。タッチポイントイノベーションとペルソナを併用することは、どの企業にとってもハードルが高いと思われます。マーケティングだけでなく組織活動や営業施策までも包含した全社的な活動だからです。これは極めて手間のかかる高度なマーケティング手法であり、一見迂遠に見えますが、効果を上げる近道ではないかと私たちは考えています。

 次回は、ペルソナで効果を上げるということについて考えてみたいと思います。

【テーマ】  01ペルソナの基礎

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