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ペルソナで知る海外マーケット--中国人のペルソナ--(3.中国人の好きな飲み物を調査する)
中国で自分の常識が覆されるような体験を繰り返した結果、より正確に中国人の顧客像をつかむためにペルソナを作ってみたらどうだろうと考えるようになりました。ペルソナで表現するのは輸入食品会社の顧客、具体的には「中国に輸入されたインスタントコーヒーを飲む顧客」の姿です。
■中国でコーヒーを売ることは可能か
中国の消費者を知るためのペルソナとして、手始めに中国人の友人が経営している輸入食品会社の顧客のペルソナを作ってみることにしました。特に着目したのが、彼らが新たに始めたインスタントコーヒーのビジネスでした。「中国人が本当にコーヒーを飲むのか」「飲む環境があるのか」という根本的な問題から調査して、「コーヒーを飲む中国人」のペルソナを作ることにしたのです。
中国でも「スターバックス(Starbucks)」の看板はよく見かけます。しかし、値段は日本と変わりません。今週のコーヒー(中国では「本日のコーヒー」ではなく「今週のコーヒー」です)がサイズによって15元(約234円)、18元(約281円)、21元(約328円)でした。ローカルなレストランならば食事ができるという値段です。私の常識からすると、中国の平均賃金の労働者が普通に飲むものとは考えがたい価格だともいえます。
(上海のスターバックス。中華風の建物の中にあるのが印象的です。)
ところが、スターバックスは街中に数多くあります。いったい誰が、食事ができるほどのお金を支払ってコーヒーを飲んでいるのでしょう。私たちは、スターバックスの顧客は誰なのかということから調べ始めることにしました。いくらスターバックスがたくさんあっても、その主な顧客が中国人ではなく、日本人、韓国人、欧米人などならば、「コーヒーを飲む中国人のペルソナ」は作れないからです。
顧客の調査は、大連のスターバックスの店舗を観察する方法で行いました。コーヒーを飲んでいるのは「誰」なのかを観察したわけです。この結果、中国人以外の人たちもコーヒーを購入していましたが、それよりも中国人の顧客のほうが多いことがわかりました。「中国の一般の人が本当にコーヒーを飲むのか」という素朴な議論は払拭され、一歩前進です。
(大連のスターバックス店内。中国人の顧客が多いことに驚きました。)
しかし、コーヒーショップが存在し、そこでは中国人の顧客が多いということと、インスタントコーヒーが売れることとは完全には一致しません。人々は待ち合わせや友人との会話を楽しむためにコーヒーショップを利用しているだけで、自宅ではウーロン茶を飲んでいるかもしれないからです。
■データから見えてきた中国人の好きな飲み物
そこで、次のステップとして中国人の好きな飲み物を調べることにしました。とはいうものの、中国各地を回るだけの時間もお金もありませんので、インターネットを利用して統計情報を収集するという方法をとりました。
こうして集めた情報をみて、びっくりしたことがあります。「中国人はウーロン茶好き」だと思っていたのですが、この「常識」も違っていたことです。
収集したデータを分析してみると、お茶に関しては、ウーロン茶好きは日本人の方で、中国人は緑茶好きでした。また、中国人とコーヒーの関係は、日本と比べてそれほど特殊ではないこともわかりました。たとえば、中国の都市部の統計資料の中には、人口の33%がコーヒーを飲み、20%近くがコーヒーを好むというデータがあったのです。このような統計情報から、私たちは「コーヒーを飲む中国人」のペルソナを作ることができると確信しました。
■居住地域や性別による飲み物の好みの違い
さらにデータの分析をすすめていくと、コーヒーの嗜好については地域、性別などの要因によるかたよりがあることもわかってきました。
たとえば、コーヒーは広東省や四川省などよりも、都会である上海でより好まれる。また、上海においては、男性よりも女性に好まれているというデータもありました。コーヒーは主に都市部の女性に受け入れられていたのです。
これはコーヒーに接する機会の差によるものかもしれません。都市部では、スターバックスをはじめとするコーヒーショップが数多くあり、コーヒーを飲む機会があるといえるでしょう。また、コーヒーはアメリカ好きの中国人にとってのオシャレな飲み物であり、流行に敏感な女性たちが取り入れている可能性もあります。そして、上海などの都市には外資系企業も多く、そういった企業に勤めることでコーヒーに親しむようになったのかもしれません。
しかし、この段階では、中国人のうちのどんな人(年齢や所得、生活水準など)がコーヒーを飲むのかは、まだ憶測に過ぎず、「コーヒーを飲む中国人」を特定できていません。そこで、さらに調査を進めていくことにしました。
【テーマ】 04海外での活用