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  • ジョナサン・ブラウン(Forrester Research, Inc.)
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ペルソナのパワー(6.ペルソナの進化 −その1−)

ジョナサン・ブラウン(Forrester Research, Inc.)
2008年08月01日

ペルソナの進化について、まず、いくつか米国の事例を以下の3つのトレンドに沿ってご紹介します。

1.ペルソナがよりインターラクティブになる
2.ペルソナがマルチチャネル化する
3.ペルソナがより主流なデザインツールになる

■1.ペルソナがよりインタラクティブになる

ペルソナというのは、一つのカスタマー・セグメントを代表する人についてのストーリーですが、そのストーリーを伝える方法はいろいろとあります。よく見られる方法は、数枚のドキュメントでペルソナを文書や絵で描写する方法です。まず顔写真、名前、特徴のサマリーなどがあり、続いて分かりやすいストーリーが書いてあります。

ただ、ここには一つチャレンジとなるポイントがあります。ペルソナを読んだ人が、「うちのお客様は本当にこの人なの?」と少し疑ってしまう場合やもっと詳しくこの人のことを知りたい場合、あるいはペルソナを作ったチームが何の事実に基づいてこのストーリーを書いたかを知りたい場合などです。このような疑問を解決するために、すべてのバックグランドリサーチやデーターをペルソナのトップページに載せようとしたら、逆に分かりにくいものになってしまいます。トップはやはりシンプルにすべきですが、それを必要とする人にはそれが見えるようにすることもまた重要です。

このような課題を解決するために、インタラクティブなペルソナができました。

米国インタラクティブエージェントのWHITTMANHART社が作ったケイト・アルトマン(Kate Altman)というペルソナをご紹介しましょう。



ケイトのストーリーには、“I am online all the time and I depend on email…” (私はオンラインによくなっていて、メールをよく使っている)と書かれています。この文章を読んで、すんなり納得できる人もいると思いますが、「57歳の女性が本当に常にオンラインになっているの?」と疑問を持つ人もいるかと思います。

その疑問を解決するために、このペルソナでは、各ポイントにリンクをはり、以下のようにその証拠が別のページ(ビハインド・ストーリー)で見えるようにしています。


このページを見ると、統計では、“Seniors go online more frequently and stay online longer than those under 50” (シニア世代が50歳以下の人よりも頻繁にオンラインになっていてインターネットを使う時間が長い。)と書かれています。また、“69% go online every day. 92% of this group have window shopped online. 78% of this group made a purchase.” (57歳の女性の69%が毎日オンラインになっている、92%が買いたい物についての情報を調べるためにインターネットを利用し、75%が実際に購入したことがある。)と書かれています。これを見ると、先ほどのケイトの話が本当であることが分かります。より詳しい情報が欲しいときはこのようにとリンクを使うとよいです。

このように、ストーリーの裏にその事実を細かいところまで調べられるようになっているペルソナを、フォレスターでは“インタラクティブになっている”と言っています。

なお、このペルソナでユニークなことがもう一つあります。このストーリーは、ケイトの自らの声で紹介されていることです。最初に“I’m a 57-year-old grandmother of three.” (わたしは57歳のおばあさんです)というふうに一人称でストーリーが書かれています。

これは、WHITTMANHART社がよく使うテクニックですが、実際にこの人の話を直接聞いている気持ちになれるので、最近人気になっています。ただ、第三者が話す形式のほうがいいという声もあります。私としては、ストーリーが信じやすくて同感させるようにできていれば、一人称で話す形式でも、第三者が話す形式でも、どちらでもいいと思います。


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