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ペルソナで知る海外マーケット--中国人のペルソナ--(4.中国人のコーヒーの飲み方を調査する)
中国では、湾岸都市部に住む流行に敏感な人々、特に若い女性がコーヒーを好むことがわかりました。スターバックスも流行っているようです。これなら日本のコーヒー好きの女性と大きな違いはないように見えますが、ここでうっかり日本の常識を持ち込んでしまっては失敗のもと。私たちはペルソナを作るために、この人たちのライフスタイルをさらに調べることにしました。今回の調査の中心は、コーヒーが「いつ」「どんなふうに」飲まれているかです。
■アイスコーヒーは不人気な中国
地球温暖化のせいでしょうか、ここ数年の夏の暑さといったらありません。よく冷えたアイスコーヒーで喉をうるおし、ホッと一息。日本人なら誰でも経験のあることです。逆に木枯らしが吹き荒れる日や雪が舞い降りてくる日には、熱々のコーヒーで暖をとることもあります。コーヒーとのこんな付き合い方には、国境はなさそうに見えます。
本当でしょうか。
結論から先に申し上げましょう。中国ではアイスコーヒーはポピュラーな飲み物ではありません。
あるインスタントコーヒーの有名企業が中国で大々的にアイスコーヒーを宣伝したことがあったそうです。冷たい水でも溶けやすく改良されたインスタントコーヒーがあるのですから、冷たい飲み物としてのコーヒーを売り込みたいという戦略は理解できます。しかし、これは失敗に終わりました。
中国ではインスタントコーヒーが、ホットコーヒーとしては定着しつつあるのに、アイスコーヒーとしては飲まれていない。この原因は飲む環境と、味の好みから生まれる価格にありました。
■中国人はどこでインスタントコーヒーを飲んでいるのか。
甘い飲料が好まれていることと、アイスコーヒーが飲まれてないことには関連があるのでしょうか。対象としているビジネスはインスタントコーヒーの販売ですから、インスタントのアイスコーヒーという側面からこの点を調べてみました。
まず、インスタントコーヒーが「どこで」飲まれているかです。
インスタントコーヒーが飲まれている主な場所はオフィスでした。オフィスでの飲み物の条件は、これこそ万国共通でしょうけれど、「手軽に安く」飲めることです。
中国のオフィスでも、給湯設備はあります。日本とは異なり、中国の給湯設備はミネラルウォーターの給水・給湯器が多くあります。ですから、熱いお茶やインスタントコーヒーは簡単に作れます。また、水も出ますので、インスタントコーヒーを水で溶くことは可能です。しかし、オフィスでは氷の調達に問題が生じます。
確かに冷蔵庫を用意してあるオフィスもありますが、オフィスの全員が氷を自由に使えるだけの設備があるわけではありません。残念ながら、氷入りのアイスコーヒーを作ることのオフィス環境は少ないのです。
■オフィスでの飲み物のコスト
湾岸地域の中国人が好むソフトドリンクには特徴があります。それは「甘い」ことです。ペットボトルのお茶ですら甘いのです。甘さ控えめの傾向いちじるしい現在の日本から見ると、不思議をとおりこして奇異にすら感じるほどです。お茶が甘いくらいですから、いうまでもなくコーヒーも甘くなければなりません。
場所は中国のオフィスです。幸いにも氷を調達できるオフィスであり、インスタントコーヒーでアイスコーヒーを作る環境があったとします。しかし、甘味料や脱脂粉乳の入ったホットコーヒー用のインスタントコーヒーは溶けにくく、面倒です。
また、ブラックのインスタントコーヒーでは中国のソフトドリンクとして重要な要素である「甘さ」が足りません。アイスコーヒーを甘くするのに必要なのは、シロップですね。また、クリームも欲しくなります。しかし、日本でちょっとスーパーを覗いてみればわかるように、シロップやクリームは割高です。
中国ではインスタントコーヒーそのものが、決して安い飲み物ではありません。それに加えてシロップが必要だとなると、オフィスでのアイスコーヒーは高コストになってしますのです。…。「わざわざアイスコーヒーを作らなくたって、もっと安い飲み物はいっぱいある」という声が聞こえてきそうです。
(日本とまったく変わらない自動販売機。しかし、水が2元(34円)、アイスティーが3.5元(60円)安いですね。)
■中国で四季を通じてインスタントコーヒーを流行させるための条件
ここまでをちょっとまとめてみます。
インスタントコーヒーを販売するビジネスを成功させるには、四季を通じ愛飲されることが重要です。できれば、ホットコーヒー、アイスコーヒーをバランスよく飲むマーケットが望ましいということです。
ところが、中国ではアイスコーヒーに対する嗜好はいまひとつ伸び悩んでいます。その原因は、中国人の甘い飲料好きとアイスコーヒーを甘くするためのコストアップにも原因がありそうです。
それから、インスタントコーヒーが飲まれている場所は、主にオフィスだということも重要です。「手軽で安い」この条件を外すことはできません。
以上のことを考え合わせると、中国でインスタントのアイスコーヒーが普及するには、現実として少し時間がかかりそうです。
スターバックスが先行してコーヒーを普及させていますし、おかげでアイス・カフェ・ラテを注文する人も増えてきています。これが「スターバックス以外でもアイスコーヒーを飲みたい」という欲求に結び付くのに、あと一押し何かがあればよいのですが。
そのために、私たちは、もう一度、顧客対象をさらに明確にしてみる必要に迫られました。
【テーマ】 04海外での活用