TOP関連コラムペルソナに関する疑問セッション 第2回 見やすく読みやすいペルソナとは?

  • ペルソナに関する疑問セッション
  • ペルソナ&カスタマエクスペリエンス学会では、毎回、「ペルソナに関する疑問」を取り上げてセッションを行っています。ここでは各セッションのサマリーをお伝えします。

第2回 見やすく読みやすいペルソナとは?

ペルソナに関する疑問セッション
2009年10月22日

ペルソナを使うメリットの1つとして、「プロジェクトメンバーでターゲットユーザーを
理解・共有する」という点があります。プロジェクトメンバー全員が感情移入でき、
ぶれなくユーザー像を共有するためには、ペルソナの見やすさ、読みやすさも重要
になってきます。
今回のセッションでは、ペルソナ事例を見ながら、ペルソナのフォーマットや、文量や
表現など、各社の事例を織り交ぜながら、議論しました。

・目的に応じた表現が必要

ペルソナの用途や利用者、目的や状況によって、表現が変わってくる。本来ペルソナ
は「ユーザーの物語」になっていることが特徴であり、それによりユーザーの理解度を
高めることができる。しかし、状況によってはその限りではない。

   -気付きを与える時:
   社内の壁やトイレの個室の中に貼る。社員が通りすがりに見て頭に入る程度の
   情報量にする必要がある。カードに収めて携帯するという事例も。

   -プロジェクトメンバーで共有する時:
   齟齬のない表現を心がけ、実在する人物のことを語るように、生き生きした表現を
   する。インタビューの発言が、「かぎかっこ」で引用されていたり、よりリアルに語ら
   れていると伝わりやすい。

   -複数のペルソナを作成する時:
   各ペルソナの特色やそれぞれの違いが一目でわかることが重要。テンプレートは
   もちろん、デモグラフィック情報の項目を揃えるなど。

   -役員など、時間のない方へ向けて説明する時:
   短時間で概要が理解できるよう、「エグゼクティブサマリー」としてまとめる。
   プレゼンテーションの演出の方法も重要となってくる。ユーザーの生の声を聞かせ
   たり、行動の映像を見せると効果的な場合もある。インパクトがあり、まさに「百聞
   は一見に如かず」である。
   (某航空会社においては、何人もの客が機内で頭をぶつける映像を連続で流したらしい)


persona1001.jpg

    (セッションの様子)

・ペルソナのフォーマットについて

各社PPTで作成することが多いが、中にはイラストレータ等を使用し、ビジュアルに
凝ったフォーマットを使用する場合も。背景色と文字色のコントラストなど、基本的な
アクセシビリティ配慮や、文字の大きさや行間の調整による、見やすさ・読みやすさ
に関する配慮を行う。フォントはデフォルトのフォントを使用するケースが多い。

・ペルソナの表現について

文章は、3人称で語ることが多い(1人称だと、自分自身で気付いていないことが表
記できないため)また、覚えやすく発しやすい名前をつけることも重要である。
中には、「ワクチン接種のワクイさん」「地元大好きフジモトさん」など、韻を踏んだ名前
も。ファーストネームには流行があるので、年代を配慮することも必要。

・アイキャッチ

電車の吊り広告や雑誌の見出しと同じく、目を引くビジュアルやフレーズが重要。
ペルソナにおいては、まず最初に目に付くのが顔写真。人と人との出会いと同じように、
ペルソナに対する印象は、写真を目にした最初の1秒で決まる。できるだけ、好感・興味
の持てる写真を選定する(モチベーションを高めるため、実際のマーケットから外れない
範囲で、メンバーの好みを配慮するケースもあるらしい・笑)よりイメージを膨らませるため、
ペルソナの服装、部屋の雰囲気や読む雑誌等、関連する項目の写真を掲載する場合もある。

・その他の工夫(各社事例)

   -キーワード
   読みはじめに、特徴となるキーワードを3つほど表記し、インパクトを与える。

   -文章の前に図式で説明
   ペルソナの文章の前に、ストーリーの構成(背景、課題、条件、ニーズ、など)を図式で
   説明する。

・1秒、10秒、1分ルール

1秒:一瞬で受け入れられるかどうか、インスピレーションが重要。
10秒:セリフや小見出しなどを斜め読みし、大枠の項目を理解するための時間。 
1分:全てを読み終えるまでの時間。これ以上長いと読み手の集中力がなくなる。

・ペルソナ評価基準

フォレスター・リサーチより「ペルソナ評価基準」が出されている。
評価する際に見るべきポイントが記載されており、ペルソナのわかりやすさはもちろん、品質チェックの参考になる。

★クリックで拡大  

(出典:フォレスター・リサーチ)

・結論

ペルソナのストーリーは1分程度で読み終えられる長さに収める。
このストーリーを基本として、10秒で理解できるもの、1秒で印象に残るもの
などのバージョンも用意し、目的や状況に応じて使い分ける。
 
《ひとこと》

完成したペルソナをプロジェクトメンバーで共有する際、実際に手を動かして作成した
人やインタビューを聞いた人にはすっと入ってくるのですが、それ以外の人にわかり
やすく伝わっているのか、常に悩んでおりました。
今回のセッションで出た各社の留意点は、今後のヒントとなりました。
「1秒、10秒、1分ルール」は、ペルソナに限らず、webやプレゼン資料等のコミュニケー
ションツールにおいても適用できるかもしれません。

<富士通デザイン株式会社 久鍋 裕美>

サイトインフォメーション

このサイトをご覧になるには
	Adobe Flash Playerが必要です。