TOP関連コラムペルソナに関する疑問セッション 第3回 ペルソナは再利用できる?

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  • ペルソナ&カスタマエクスペリエンス学会では、毎回、「ペルソナに関する疑問」を取り上げてセッションを行っています。ここでは各セッションのサマリーをお伝えします。

第3回 ペルソナは再利用できる?

ペルソナに関する疑問セッション
2009年11月19日

ペルソナを作成するには、アンケートやインタビュー調査における費用や工数がかかり、
1度作成してそれっきりになると、非常にもったいない気がします。
せっかく作ったペルソナを再利用することはできないのでしょうか。
各社の悩みや事例、再利用する際のポイントについて議論しました。

同じペルソナを使うケース

シリーズ製品や、同じテーマのシステム開発プロジェクト等においては、
一貫性がなければならない。その場合は同じペルソナを使用して開発をしていくべきである。


企業が変わると同じペルソナは使えない?

他社に対しての優位性を出していく必要があるため、同じペルソナをそのままは使えない。
企業の文化や戦略に沿ってカスタマイズし、オリジナリティを出していく必要がある。
ただ、ペルソナを共有して均一なサービスを提供しなくては
ならない場合(行政など)や、市場においての全体の品質底上げを目指す場合は、
同じペルソナを使用することが有効である。


ペルソナ作成中に、企業を取り巻く環境や戦略が変わったら作り変えるべき?

ペルソナを作成している間に、社会情勢が変わり、
それに応じて企業戦略が変わることもある。
このような場合の対応は、フォーカスの当て方が
ロングタームなのかショートタームなのかによって決める。
大きく普遍的なテーマを取り扱うのであれば、
社会的な環境の変化に影響を受けないため、
そのままペルソナを使用できる。
具体的なプロダクト等の場合は、フォーカスが当たって
いる方がインサイト*が得やすいため、ペルソナの情報を
変えていくべき。
* インサイト:ユーザーの潜在意識や洞察


再利用の弊害

シリーズ物の製品開発におけるペルソナを、新製品開発の度に何度も使用している。
効率的ではあるが、逆にペルソナに捕らわれてしまって、新鮮味がなくなり、
新しいアイデアが出てこなくなってしまう。そんなときは、バックのデーターベースは
同じで名前や写真・生活を変えてみたり、工夫している。


客観的な評価

再利用をした場合、癖や傾向に偏りが出る可能性がある。
別の視点で客観的にチェックをした方が良い。


再利用のポイント〜ペルソナをそのまま使うのではなく…〜

ペルソナの「ストーリー」の完全な再利用は難しいが、下記の方法であれば効率よく作成できる。

  - 部分的な再利用

  毎回ゼロからペルソナを作成するのではなく、先に広い視点で調査をして大きな骨格を
  作っておき、製品ごとに違う部分や変化のあった部分をその都度調査すると生産的。
  具体的には、ペルソナの本質的なところや企業風土、戦略による普遍的な表記は再利用し、
  製品・サービスの特色、利用シーン等変化を要する部分は差し換える。


  - 調査データの再利用

  ペルソナ自体を使いまわすのは難しいが、ペルソナ作成にあたっての調査データを再利用
  することは可能。インタビュー時点でのスケルトンの組み合わせ方や優先度の付け方により、
  違う目的のペルソナを作成することもできる。その時点で足りない情報があれば、
  追加で調査を行えば良い。以前に当学会で実施した体験型セッション
  では、ヒアリングデータを元に「ビジネスホテルをwebで予約する女性のペルソナ」を作成したが、
  見方を変え、データを追加すると「レディスプラン利用のペルソナ」なども作成できる。

(関連記事)
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http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2008/12/17/4471


結論

ペルソナそのものではなく、調査データを再利用することは可能。
その中には、「普遍的なもの(広い視点)」と「変化するもの(具体的)」があり、
前者をうまく再利用することにより、企業戦略の一貫性を保ちながら、
ペルソナ作成の生産性を上げることができる。


 
《ひとこと》

最近、社内外を問わず「社員のペルソナ」を作る機会が多く、
対象となる製品・サービスは異なるものの、
ワークスタイルに関する似たようなヒアリングが続いておりました。
1点を集中して見ることも大切ですが、今後は時間の推移と横展開も考慮し、
広い視点を持ち効率良く調査計画を立てたいと思います。

<富士通デザイン株式会社 久鍋 裕美>

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